2014年のダービー馬・ワンアンドオンリー(牡6、栗東・橋口慎介厩舎)が現役を引退することがわかった。通算成績は33戦4勝で、重賞勝利は2013年のラジオNIKKEI杯(GIII)、2014年の日本ダービー(GI)と神戸新聞杯(GII)の3勝。26日のジャパンCでの16着が最後のレースとなった。

ワンアンドオンリーは、父ハーツクライ、母ヴァーチュ、その父タイキシャトルという血統。日本ダービーでは横山典弘騎手とのコンビで橋口弘次郎調教師(当時)に悲願のダービー制覇をプレゼントした。

今後は北海道ひだか町のアロースタッドで種牡馬生活を送る予定。

◆ワンアンドオンリー6代血統表
ワンアンドオンリー6代血統表

◆ワンアンドオンリー9代クロス解析表
ワンアンドオンリー9代クロス解析表


・ハーツクライ産駒の十分条件はほぼ備えている
・Halo→Hail to Reason
・War Admial
・Northern Dancer

・しかし、母系に Ribot がないのは残念
・相手にはそうした牝馬を探したい(例えば、タニノギムレット牝馬)
・あとは Lyphard か Nijinsky のクロス狙い(アグネスデジタル牝馬だと Ribot と Danzig の同時クロスになるがうまくはまれば)
・Tourbillon も生かしたい


(2017.11.28.青木義明)

◆シュヴァルグラン6代血統表
シュヴァルグラン6代血統表


◆シュヴァルグラン9代クロス解析表
シュヴァルグラン9代クロス解析表



シュヴァルグランについて一言触れれば、ハーツクライ産駒としての成功要因である「疑似リボークロスとウォーアドミラルとノーザンダンサーのクロス」は具現している。この辺については下記を参照されたい。

◆改めて、ハーツクライ産駒の配合的ポイントとは
http://keibatsushin.blog.jp/archives/20418864.html


だが、その母ハルーワスウィートがすでにヘイロー3×4で、ナタルマ4×4もあるのでアルマームード4本継続クロスと切れるタイプで、なおかつ少し気難しくて、脚の使いところが定まらないという特徴はある。

確かに父のハーツクライの必要条件は満たしているが、シュヴァルグランのヘイロー3本クロスは好みではなく、今回は内枠や良馬場やボウマン騎手の腕やスローな展開など、複合的な好条件がこの馬に味方してくれた。もう一度、このメンバーでレースをやって必ず勝てるとは言えない。そして、この次も小生はシュヴァルグランを1着候補にはしない。

(2017.11.27.青木義明)

◆リップル2017 6代血統表
リップル2017


◆リップル2017 9代クロス解析表
リップル2017の9代クロス解析表


このところ、ディアドラ、モズカッチャン、ペルシアンナイトとハービンジャー産駒が続けて大レースに優勝した。日本の軽い芝コースでの競馬の中にあって、こうした重厚な血脈の種牡馬が台頭するのはいいことである。

さて、西山牧場さんへの青木配合馬リストでハービンジャー産駒はいないかと探したら、「リップル2017」がいた。本年2月17日生まれの牡馬である。そして、来年生まれる産駒にも2頭の受胎馬がいることが分かった。それは配合屋・青木としては喜ばしい。

さて、「リップル2017」はやはり Nijinsky のクロスをかましてある。さらに Blushing Groom や Round Table-Princequillo、あるいは Menow や Djebel-Tourbillon など、押さえるべきところは押さえてあり、9代クロスの量的側面も悪くない。早目に仕上がって、皐月賞までは楽しめると思っている。

この牝馬は「ジェイエス」の繁殖牝馬セールで小生が推奨して購入して頂いた馬である。牝系はノーザンダンサーの祖母 Almahmoud に遡る名門だが、その娘で Halo の母でもある Cosmah 4×4のクロスをリップルは内包している。だから少し気性の強いイメージはあるが、それゆえにハービンジャーは悪くない相手といえるはずた。ちなみに、来春はリーチザクラウンの産駒が生まれる予定だが、こちらの方もかなり楽しめるとみている。


【ハービンジャー産駒】

◆秋華賞の勝ち馬ディアドラの6代血統表&9代クロス解析表
http://keibatsushin.blog.jp/archives/20329158.html

◆マイルCSの勝ち馬ペルシアンナイトの6代血統表&9代クロス解析表
http://keibatsushin.blog.jp/archives/20251563.html


◆エリザベス女王杯の勝ち馬モズカッチャン6代血統表&9代クロス解析表 
http://keibatsushin.blog.jp/archives/20087764.html


◆青木配合のハービンジャー産駒リップル2017の6代血統表&9代クロス解析表
http://keibatsushin.blog.jp/archives/20308656.html

(2017.11.22.青木義明)

◆ペルシアンナイトの6代血統表
ペルシアンナイト6代血統表

◆ペルシアンナイトの9代クロス解析表
ペルシアンナイト9代クロス解析表


・父のハービンジャーには Natalma(その母Almahmoud )の継続クロスがあり、
・母のオリエントチャームは名種牡馬ゴールドアリュール(1999)の全妹だが、これは Almahmoud のクロス馬だ。
・したがって9代クロス解析表からも分かるようにペルシアンナイトは
Almahmoud 9本継続
Natalma 7本継続クロスがあり、

・また、集計表のT値が6.02(平均継続クロス度数)と高いので、ハービンジャー産駒としては切れる配合パターンといえる。
・なお、Northern Dancer が6本継続クロスされているので、その産駒の1頭 Nijinsky 6×5へとクロス世代が前進するのもいい。モズカッチャンも Danzig へと世代は前進していた。

(2017.11.20.青木義明)

◆ミホノブルボン6代血統表
ミホノブルボン6代血統表

◆ミホノブルボン9代クロス解析表
ミホノブルボン9代クロス解析表

◆ライスシャワーの6代血統表
ライスシャワー6代血統表

◆ライスシャワーの9代クロス解析表
ライスシャワー9代クロス解析表


・前者は「クロスの量的側面」で、後者は「クロスの質的側面」でそれぞれ必要条件を満たしていることがよくわかる。

・たとえノーザンダンサーを持とうと持つまいと「9代祖先の数」はどの馬にも不変であり、そこでクロスの総量がどの程度あれば走るかを示したのがミホノブルボンで、米国血脈のクロスを主体としつつも「異系」の部分を内包することの大切さを示したのがライスシャワーだ。

・ミホノブルボンの父マグニテュードは Hyperion Nearco Blenheim など欧州血脈主体の5代多重クロス馬で気性が強い。これはナリタブライアンの母パシフィカスも同様だ。他方で母のカツミエコーは5代アウトクロス馬。そして、ブルボンも5代内に3×4などの強いクロスはなく、中距離志向に仕上げた。それでも、9代でのクロス総量は十分だ。

・ライスシャワーの父リアルシャダイは米国血脈主流で母の父に War Relic 3×3の強いクロスを内包することや、同様に強いクロスを内包して気性の激しいロベルトを父にして、タフでパワフル、ダートや重も強い産駒を輩出。他方でライスシャワーの母ライラックポイントは5代多重クロスのマルゼンスキー産駒ながら、自身は5代に強いクロスを持たないアウトサイダー。これまた米欧血脈混淆のタフな血脈で、ライスシャワー自身も5代アウトクロスゆえにステイヤーとなった。また、母系ニジンスキーと父系ロベルトの近似血脈の配置も妙味がある。

(2017.11.17.青木義明)

◆Gun Runner 6代血統表
Gun Runner 6代血統表

◆Gun Runner 9代クロス解析表
Gun Runner 9代クロス解析表


・11月4日の米国ブリーダーズカップ・クラシック(ダート10ハロン)をガンランナー Gun Runner が逃げて快勝してくれた。

・ガンランナーはとてもよくできた配合馬で、特にクロスする質のバランスのいい「5代多重クロス馬」だ。3月のドバイワールドCでアロゲート Arrogate の2着に敗れたが、今回は5着に退けた。

・配合的にはガンランナーの方がアロゲートより好みである。来春から米国ケンタッキー州のスリーチムニーズファームで種牡馬入りするとのことだが、かなり高い確率で成功するはずだ。

・その場合、母の父の Giant's Causeway に内包される Rahy、Roberto、Secretariat などを生かすこと、そして父系にプールされている5本の Tourbillon クロスをいかに継続するか、この辺がカギとなることだろう。また、産駒は必ずしもダート馬オンリーではない。

(2017.11.14.青木義明)

◆ニシノケイト2019 6代血統表
ニシノケイト20196代血統表

◆ニシノケイト2019 9代クロス解析表
ニシノケイト20199代クロス解析表


・Nijinsky (6×6・6)3本継続(Danzig クロスより好感)
・Princequillo→Round Table クロス世代前進(PQ7本継続で粘着力)
・Mr.Prospector→Fappiano クロス世代前進(MP3本継続でパワー)
・Fappiano に内包される Rough'n Tumble や Aspidestra の継続クロス(複合クロス)
・母から父にない Halo-Hail to Reason (4本)クロスの注入
・総じてダートの一流マイラーを期待。1200なら逃げて良し、1400~1600なら好位差し。
・ウェルシュマフィンの疑似クロスの内包が隠し味となるか。
ウェルシュマフィンの疑似クロスの内包

(2017.11.06.青木義明)

初めて作った Danzig クロス馬◆青木義明の競馬一直線



配合の基本は近親交配にあることは間違いない。その場合、クロスする世代の近さ、質、さらには量が問題になる。

クロスするには「共通祖先」をその両親がもたなければならない。例えばオルフェーヴルはノーザンテーストの、ブエナビスタは Nijinsky のそれぞれ4×3のクロスを実現したが、父がステイゴールドならノーザンテーストは一つの選択肢であり、父スペシャルウィークならば Nijinsky のクロスとなるわけだ(Stirm Bird などの近似血脈を使った疑似クロスはあり得るが)。また今年の凱旋門賞は Sadler's Wells のクロス馬が優勝した。

さて、小生が配合を実施する過程で Danzig のクロスはあまり気乗りがしなかった。どことなく堅く、どこなく使える脚の短い馬力型マイラーのイメージにとらわれてしまうからだった。輸入種牡馬アイルハヴアナザーは Danzig 4×4だが、あまり芝では狙う気になれないので配合相手に使ったことはない。

しかし、繁殖牝馬がノーザンダンサー系血脈では Danzig しか持たない場合は、そのクロスを狙う方向で相手を選んでみることも必要となる。ディープインパクト産駒のスマートレイアーなどは Lyphard 4×4・5の3本継続クロス馬である。ディープをもろに強調している。(あまり好みではないが)

そこで、Danzig で浮上する種牡馬の1頭が軽種馬協会の導入馬マクフィ(2007.Makfi)である。英2000ギニーなど6戦4勝のこの馬は Dubawi×Green Desert×Irish River と魅力的な血統構成で使い道は高く、好みのタイプだ。すでにニュージーランド年度代表馬などを出して成功しているので期待もできる。



西山牧場さんに配合診断を依頼された40頭近くの牝馬の中で、このマクフィとピッタリの存在がいた。そこで今年の春も相手に選び、さらに来年の場合も全兄弟を作る価値ありとして同じ結論を導いた。

その母とはアグネスタキオン産駒のニシノマナムスメ(2004、4勝)で、桜花賞馬ニシノフラワーの娘でもある。その産駒で今週のtvk賞に出走するニシノアモーレ(父コンデュイット)は小生の配合馬だが、ニシノマナムスメは9代クロスの量的側面がかなり旺盛なタイプで、やや繊細で、斬れるタイプだ。

対してマクフィの9代クロスはあまり量が多くなく、少し硬いイメージ。いかにも欧州の深い芝向きのマイラーという印象だ。

この両者の配合からメインクロスは Danzig 4×4となり、その周縁クロスも悪くない。ニシノマナムスメには2年続けて相手にマクフィを選んだほど気に入っている。おそらく皐月賞、秋天皇賞あたりの距離と舞台で活躍してくれるものと期待したい。(2017.11.10)



◆ニシノマナムスメ2018 6代血統表
ニシノマナムスメ20186代血統表

◆ニシノマナムスメ2018 9代クロス解析表
ニシノマナムスメ20189代クロス解析表

◆ニシノマナムスメ6代血統表
ニシノマナムスメ6代血統表

◆ニシノマナムスメ9代クロス解析表
ニシノマナムスメ9代クロス解析表

◆マクフィ6代血統表
マクフィ6代血統表

◆マクフィ9代クロス解析表
マクフィ9代クロス解析表

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