◆ミホノブルボン6代血統表
ミホノブルボン6代血統表

◆ミホノブルボン9代クロス解析表
ミホノブルボン9代クロス解析表

◆ライスシャワーの6代血統表
ライスシャワー6代血統表

◆ライスシャワーの9代クロス解析表
ライスシャワー9代クロス解析表


・前者は「クロスの量的側面」で、後者は「クロスの質的側面」でそれぞれ必要条件を満たしていることがよくわかる。

・たとえノーザンダンサーを持とうと持つまいと「9代祖先の数」はどの馬にも不変であり、そこでクロスの総量がどの程度あれば走るかを示したのがミホノブルボンで、米国血脈のクロスを主体としつつも「異系」の部分を内包することの大切さを示したのがライスシャワーだ。

・ミホノブルボンの父マグニテュードは Hyperion Nearco Blenheim など欧州血脈主体の5代多重クロス馬で気性が強い。これはナリタブライアンの母パシフィカスも同様だ。他方で母のカツミエコーは5代アウトクロス馬。そして、ブルボンも5代内に3×4などの強いクロスはなく、中距離志向に仕上げた。それでも、9代でのクロス総量は十分だ。

・ライスシャワーの父リアルシャダイは米国血脈主流で母の父に War Relic 3×3の強いクロスを内包することや、同様に強いクロスを内包して気性の激しいロベルトを父にして、タフでパワフル、ダートや重も強い産駒を輩出。他方でライスシャワーの母ライラックポイントは5代多重クロスのマルゼンスキー産駒ながら、自身は5代に強いクロスを持たないアウトサイダー。これまた米欧血脈混淆のタフな血脈で、ライスシャワー自身も5代アウトクロスゆえにステイヤーとなった。また、母系ニジンスキーと父系ロベルトの近似血脈の配置も妙味がある。

(2017.11.17.青木義明)