川崎記念とロジータ◆沢田準の競馬を楽しく


1月30日の川崎記念は久しぶりの残念なメンバーで行われた。11頭の出走馬のうち中央馬は半数以上の6頭。地方の5頭のうち名古屋から1頭、笠松から2頭で地元の南関からは2頭だけだった。

名古屋、笠松の馬はもちろん力不足であり南関の2頭も明らかに格下で地方馬はとても勝負になりそうもなかった。

地方馬では中央から地方に移籍したサウンドトゥルーの出走が期待されたが翌週にある大井の金盃に回ってしまった。

他の南関の有力馬も金盃や報知グランプリカップに向かうと思われる。中央馬にはとてもかないそうもなく川崎記念を避けるのも仕方がないといえる。

地方競馬で行われるダートグレードレースでは中央馬のレベルが下がることもあるG2、G3では地方馬も好成績を上げることもあるが、G1では有力地方馬は避けることが多い。

それもレースのネームバリューが高い東京大賞典にはそれなりの馬が出走することもあるが川崎記念では無理というわけだ。

しかし中央馬もさほど強力だったわけではない。人気は極端であり単勝オッズはケイティブレイブが1.2倍、オールブラッシュが5.6倍、ミツバが7.0倍であとの中央馬は低人気、そして地方馬は全て300倍以上だった。

このようなレースは過去にもたびたびあり本欄でも何度か触れてきたが基本的には変わらないということである。

レースも中央馬が前方、地方馬が後方といういつものレース形態となったが、最後に笠松のカガノカリスマがサルサディオーネ交わして6着に入ったのには驚かされた。今回の中央馬のレベルが低かった証しだろう。

ところでこのレースはグリーンチャンネルでの中継があったがレース後にロジータの特集が放映された。ロジータは牝馬ながら三冠(羽田盃2000、東京だーびー2400、東京王冠賞2600)、さらに同じ年に東京大賞典2800を勝った歴史的女傑で川崎のロジータ記念にその名を残している。

ロジータは三冠の翌年に引退レースとして川崎記念に出走、単勝元返しの人気に大差をつけて応えた。この日は大変な人気となり4万を超すファンが集まったということだ。

私もこの日は川崎競馬場を訪れたが確かに大混雑だったことを覚えている。

グリーンチャンネルの放送ではロジータが勝った当時のレースが放映されたが、ロジータの強さはいうまでもないが、面白かったのは当時の競馬場の様子である。

大井では直線の内馬場にスタンドに向かって連複オッズの電光掲示板が設けられているのが見えた。アメリカの競馬場でよく見られるもので、のちに中央の福島競馬場にも作られたものだ。

またトラックの内側には障害の襷コースが残っているのが写っている。これは大井だけではなく川崎、船橋にも残っていたが現在ではナイター競馬の施設のためになくなってしまった。

また川崎の映像では各スタート地点にスターターが登る階段が見える。なるほど当時はスタート車はまだなかったのだ。

中央のレースでも昔の映像を見ると現在とは違う様子に気付くことがある。現在ではどこにもあるゴールの反射ミラーの周りにある飾りがなく、単にミラーだけだったりするのである。




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