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2月6日(水)に大井競馬場で南関東グレード2の金盃が行われた。距離2600メートルとダート重賞としては日本最長。このレースをグリーンチャンネルで観戦しなかなか興味のあるレースであることを改めて認識した。

まず南関東限定の重賞であることだ。これは1週前に行われたダートグレードG1の川崎記念と比較するとよくわかる。

これは前回にも記したとおりだが強力中央馬が参戦するとなると地方馬のレベルはかなり低くなる。川崎記念では中央6頭に対し地方馬は5頭、しかも南関組はわずか2頭でそれも低レベルだった。

一方金盃はフルゲート16頭と揃い重賞級が揃った。そうはいっても東京大賞典を前に中央から船橋の佐藤裕太厩舎に転厩したサウンドトゥルーが川崎記念を避けてこちらに回ってきたので断然の人気になったが、それでも出走馬は揃ったのである。

サウンドトゥルーにしてもケイティブレイブ以下の強力中央勢と戦うよりは楽というわけだ。

金盃は南関のレースのなかでも賞金が高く1着賞金は2200万円、これは川崎記念の2着賞金2100万円とほぼ同額だ。

他馬にしても入着すればある程度の賞金を得ることができる。川崎記念ではまず賞金はゼロだ。というわけで南関の有力馬が揃ったのである。

人気はサウンドトゥルーが1.6倍と断然、前走で報知オールスターカップを勝ったヤマノファイトが6.4倍、東京大賞典で7着後前走を勝ったワークアンドラブが7.3倍と上位となった。

レースもなかなか面白いものだった。1枠のワークアンドラブが好スタートを切ったが的場のシュテルングランツが抑えて逃げユーロビートやガヤルドやヤマノファイトが先行、逃げると思われたワークアンドラブは中団、人気のサウンドトゥルーは縦長の馬群の後方となった。

サウンドトゥルーはこの位置で大丈夫かと思われたが3コーナーあたりから上昇、4コーナーでは4番手に上がり射程内と思われた。

しかし直線でもシュテルングランツが粘り、ようやく2番手に上がったサウンドトゥルーとヤマノファイトが競り合い、ゴール前でサウンドトゥルーがシュテルングランツを差し切った。そして直線伸びてきたワークアンドラブが最後にヤマノファイトをとらえ3着となった。

1番人気、4番人気、3番人気と人気サイドでの決着ではあったが、それでも馬券は徹底的に絞り込まなくてはならない川崎記念とは違って普段のように手を広げることができるし、中央馬と地方馬がレースの途中で完全に分離してしまった川崎記念とは異なりレースそのものもおもしろかったのである。

ところで金盃は前記の通り2600メートルだ。以前は2000だったが大井記念と距離が入れ替わった。長距離レースは南関では東京記念とダートグレードのダイオライト記念の2400がある。

また他場では北上川大賞典2500、北国王冠2600、名古屋グランプリ2500、オグリキャップ記念2500、六甲盃2400、高知県知事賞2400、九州大賞典2500がある。

中央のダート重賞はジャパンダートダービーが東京を離れてからは1800から1900に伸びた平安ステークスが最長だ。

条件レースでは2400メートルクラスのレースを行っているのであり、一つくらいは長距離の重賞があってもいいのではないだろうか。

ところで金盃のレースをテレビで見ていてこれはいかがなものかと思われるシーンが出現した。

2周目のバックストレート、大井では3コーナー手前でパトロールタワーからの正面画像に切り替える。

この日は重馬場、当然馬は砂を浴びる。先頭の馬以外は砂を浴びて服色も帽色も茶色に染まってしまった。どの馬なのか、それどころかどの枠なのか全く識別不能になってしまったのである。

後方にいたサウンドトゥルーは上昇していたがどこにいるのかわからず、ようやく横からの画面になって追い上げていたのがわかったのだった。

大井のあのタワーからの画面は考え直してもらいたいのである。



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