昨年の北海道2歳優駿での着順間違いによる成績変更が発表された。着順誤りそれ自体はミステイクであり問題だが、単に誤りがあったというだけで済ましていいのだろうか。

というのは他のレースだったら同着にするような場合でも、重賞ということで何とか着順を決めようとして間違えてしまったのではないかということである。

たまたま先週の週刊ギャロップで2008年の天皇賞秋が取り上げられていたが、見出しで「長い長い写真判定の末に2センチの超僅差で決着」とあるようにほとんど同着だ。

当時の「優駿」にフォトフィニッシュの写真がかなりの大きさで掲載されている。これを見てもこれで着差をつけるのかと疑問が出てもおかしくない程だ。

従来から現在のG1級の大レースでは同着という決着は行われなかった。第28回(1961年)の日本ダービーでハクショウがメジロオーを「髪の毛の差」で破った。

菊花賞では第27回(1966年)が大接戦となり10分ともいわれた写真判定の結果、ナスノコトブキ1着、スピードシンボリ2着となった。

2センチでも髪の毛の差でも先着した馬のほうが強いなどといわれるがこれは正しいだろうか。

馬はフィニッシュラインを知らない。騎手がそれをコントロールするわけだが、ハナ差の結果など単なる弾みに過ぎない。

接戦の場合などたまたまそこがフィニッシュだったということだ。

わずかとはいえ明確に着差があれば着順をつけるのは当然だが、むりやりに着順をつけるのはどうだろうか。

ウオッカとダイワスカーレットのような差があるとは言えないような場合は同着が適当だろう。

しかしG1級のレースでは同着は出さないという暗黙の了解があったのだろう。これはどうかという着順決定があったということと思われる。

2010年のオークス、ついに1着同着が出現した。アパパネとサンテミリオンである。暗黙の了解は解消されたといえる。

北海道2歳優駿の場合、道営ではダートグレードという代表的な大レースだ。同着は出したくないということだったのだろうか。

しかしJRAでは大レースでも同着を作った。地方競馬の大レースであっても、同着があってもいいのではないか。




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