今週は高松宮記念が行われる。いうまでもなくスプリンターズステークスと並ぶスプリントのG1である。

もともとのレース名は高松宮杯だったが記念となったのは1998年からである。このレースが1200メートルとなったのは1996年からでそれ以前は2000だった。

つまり高松宮杯の時代はほとんどが2000メートルだったということになる。私にしても高松宮杯といえば2000の印象が強いのである。

高松宮杯が新設されたのは1971年だ。中京競馬場は以前はダートコースだけだった。1970年に芝コースの新設とメインスタンドの改設が行われ、これを記念して作られたのが高松宮杯ともいえる。

そして1着賞金は1500万円。これは中京記念の1300万を上回り中京競馬場で最高の賞金である。そして中京記念、金鯱賞がハンデ戦であるのに対し宮杯は賞金別定だ。

高松宮杯は中京競馬場の看板レースとして作られたのである。そして時期は6月初めだった宝塚記念から3週間後だった。

このためか初期には宝塚記念を勝った有力馬が重いハンデを背負って勝ったのだった。1974年にはハイセイコーが61キロ、76年にはフジノパーシアが60キロ、77年にはトウショウボーイが62キロでという具合である。

その後も83年にはハギノカムイオーが58キロで宝塚記念から宮杯と連勝した。

賞金は常に現在のG2級のレース、AJC杯や中山記念、阪神大賞典、京都大賞典より高額でありG1級の次に位置しているレースだった。今でいえばまさにスーパーG2だったのである。

ところで先週、阪神大賞典が行われた。阪神大賞典といえば天皇賞・春のもっとも重要な前哨戦であり1996年のナリタブライアンとマヤノトップガンの大接戦で知られるレースだ。

しかし今年は有力馬はシャケトラ1頭だけで低レベルといえるレースだった。

一方その1週前の金鯱賞ではエアウィンザー、ダノンプレミアム、リスグラシュー、アルアイン、ペルシアンナイトと有力馬が揃った。

また2月24日の中山記念でもディアドラ、スティルビオ、ウインブライト、エポカドーロと有力馬が揃った。

今年になって古馬の芝のG2は日経新春杯、AJC杯、京都記念と行われたがG1級の実績馬はAJC杯のフィエールマン、京都記念のマカヒキ程度だ。

つまりG2といってもレースにより出走してくる馬のレベルがかなり異なるのである。これはおそらくレースの時期が原因だろう。

秋にしても毎日王冠に有力馬が集中することを見ても同じ事がいえる。だからといってグレードの見直しをしようということではないが。




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