いよいよ今年のドバイでの国際レースが行われる。日本調教馬は昨年は1勝もできなかったので今年は何とかしてほしいものである。

G1レースは5レースあるが特に賞金が高いのがドバイワールドカップで総賞金が昨年の1000万USドルから増額されて1200万USドル、ドバイシーマクラシックとドバイターフが据え置きの600万USドルで、この三つのレースがシリーズの中心であるといえる。

特にワールドカップは世界最高賞金を誇る。これを上回ったレースとしてはアメリカのペガサスワールドカップがあるがこちらは賞金の集め方が特殊である。

ペガサスワールドカップを除けばアメリカの最高賞金はブリーダーズカップクラシックだが昨年は総賞金が552万ドルだった。

ドバイワールドカップはブリーダーズカップクラシックの倍でありドバイシーマクラシックとドバイターフはほぼ同等だ。

世界各国での格別な高賞金レースとしては凱旋門賞、メルボルンカップ、ジャパンカップがあるがこれらはブリーダーズカップクラシックど同程度だ。

ドバイワールドカップは世界最高賞金といっていいのではないだろうか。

それではドバイワールドカップを勝てば少なくともダートの2000メートルの世界チャンピオンということだろうか。

2011年にヴィクトワールピサがドバイワールドカップを勝った時には日本でそのように報道された。またドバイシーマクラシックを勝てば芝2400の、ドバイターフを勝てば芝1800の世界チャンピオンといえるのだろうか。

しかし競馬の世界では簡単にそのようには言えないのである。

他のスポーツであればオリンピックの勝者は即世界チャンピオンを名乗ることができる。オリンピック以外に毎年の世界選手権やワールドカップを名乗る大会がある協議は多いが、やはり4年に1回のオリンピックはより大きい。

ただし例外があってそれは男子のサッカーだ。サッカーではワールドカップが断然でであり、FIFAはオリンピックを23歳以下のチャンピオン戦としようとした。

サッカーには20歳以下のチャンピオンシップなどフル代表以外の年度別の代表戦があり、オリンピックをその中に組み込もうとしたのである。

しかしサッカーは人気種目であり、IOCとしてはそのように年齢を限定しては人気選手が出場できなくなり、ファンを集めにくくなり困ったことになる。

そこで3人の選手をオーバーエイジとして加えていいことにした。FIFAとIOCの妥協の結果である。オーバーエイジ枠で世界的な名選手が加わることもある。とてもチャンピオン戦とはいえないのである。

ところで競馬が他の競技と異なるのは、得に古馬の場合では大レースといえどもすべての有力馬が集まってくるわけではない。

今年のドバイの場合ワールドカップの出走馬でレーティングが最も高いのは122のサンダースノーでありこれより高い馬は出走しない。シーマクラシックでは123のレイデオロ、ターフでは124のアーモンドアイが最高レートだ。

ウィンクスやエネイブルは決して出ては来ないだろう。いくら賞金が高いレースでも条件が合う馬だけが出走する。そこで勝った馬が世界チャンピオンというわけではないということだ。

(本稿は本来3月30日に登録したつもりでしたが、操作ミスにより登録できませんでした。改めて登録しましたので3月30日のつもりで読んでください)




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