ケンタッキーダービーに日本調教馬マスターフェンサーが出走した。スキーキャプテン、ラニに続いて3頭目である。

このレースに日本から挑戦するのは特殊な理由がなければならない。

スキーキャプテンは社台レースホース、というより森秀行調教師、ラニはノースヒルズ、マスターフェンサーは吉澤克己氏、いずれも外国志向の強い関係者である。

そしてこのレースはグリーンチャンネルで生中継された。しかしこの中継についてはファンの間で批判があったようだ。

というのもマスターフェンサーはスタートで遅れ終始最後方を進み最後のコーナーでもまだ後方だった。

このためかグリーンチャンネルではマスターフェンサーについてほとんど触れないままであり、このことでネットで叩かれたということだ。

しかしこれは仕方がなかったと思う。

というのもマスターフェンサーは直線で追い込んではきたが、その時は1着争いが激しくマスターフェンサーはその争いには加わっていなかった。

レース、特に直線を繰り返し見ると最内を突っ込んできた馬がマスターフェンサーということがわかったが、識別はなかなか難しかったのである。

しかもなんとオブジェクションにより審議となってしまった。それも上位馬が対象ということだった。

なにしろ馬券を売っているレースである。着順がどうなるのかが番組としての最大の関心事だ。審議は延々と続いた。

リプレイを繰り返しついに降着ということで結果が決まったときはグリーンチャンネルはやっと放送が終わりにすることができるとほっとしたことだろう。

マスターフェンサーについてはルパルー騎手へのインタビューを送るにとどまったのである。

マスターフェンサーの着順がわかりにくかったのはテレビ画像にも原因がある。日本とは異なりフィニッシュのストップモーションの映像などないのだ。

それでもアナウンサーが現地から放送しているのであればマスターフェンサーの着順を抑えただろう。

しかし実況した中野雷太アナウンサーは土曜日と日曜日にはBSイレブンなどの競馬中継に出演していた。

つまりあの映像を見ながらの中継だったということだ。

このような各種の事情によりグリーンチャンネルのケンタッキーダービーの放映はやむおえなかったと思われるのである。




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