今週はオークス、各種のメディアでは過去のオークスを画像や写真で振り返っている。

週刊誌のギャロップでは1983年のオークスを取り上げた。ダイナカールが勝ったレースで5着までが同タイムの接戦となったことで名高いオークスだ。

ゴールの瞬間の写真が大きく載っているがこれを見て現在と異なるところがあることに気付く。

ゼッケンに馬名が記載されていないのである。今では当たり前でなんとも思わないし、新しいファンは馬名が入っていないゼッケンなど知らないが、この写真で昔を思い出したのである。

昔のレースの画像や写真を見るとゼッケンだけではなく現在とは異なった光景を見ることができる。

例えば現在ではゴール板、というより写真判定用のミラーの周りには装飾があり、競馬場名やレース名が書かれているが、昔は単にミラーがあるだけだった。

ゴール近くの内埒にもいろいろ書かれているが、以前は白のままだ。

最も変わったのは芝である。冬は枯れて黄色くなっていた。これも最近のファンには考えられないことである。

そして馬場の傷み具合だ。昔はレースに使われると内埒側の芝が剥げてしまい土が露出してしまった。このため雨が降るとどろどろになり各馬は大外を回ったのである。

晴れた場合はダートコースのように土ぼこりがもうもうと上がったものだった。

これはダートでのレースが少なく芝の傷みが早かったこともあるが、芝の育成技術が現在のように進んでいなかったことが大きいだろう。

また路盤の改良も芝が良化したことの原因でもある。現在でも馬場の改良の必要性を求める向きもあるが、昔を考えれば今の馬場はずいぶん良化したのである。

ところでゼッケンに馬名が入ってない当時、私たちファンはちょっとした遊びを行った。雑誌、例えば「優駿」の表紙にレース中の馬の写真が使われた時代がある。

その馬の馬名を当てるということだ。そのためには服色を知らなければならない。

もちろん服色を覚えるのはレースで馬を識別するためだが、それを逆に使って馬名を当てるというわけである。

今では理解しにくいだろうが、馬名を当てるというのは案外難しいのだった。



◆沢田準【競馬を楽しく】
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