夏競馬が始まり2週がたった。最も興味を持たれた条件戦の名称の変更はやはり妙だという印象が強いのである。

メディアにより扱い方は異なっているようだが、週刊誌では競馬ブックの場合は番組表、条件別分類表では1勝クラス、2勝クラス、3勝クラスと従来の500万円以下、1000万以下、1600万円以下が併記されている。

ギャロップでは番組表は競馬ブックと同じであり、その上に登録馬表(いわゆる柱)にも同様の記載がある。

専門紙やスポーツ紙についてはさすがにすべてを見るわけにはいかなかったが、私が使っている専門紙は出走表には何勝クラスという表示だけだったが、注意書きがあった。

そこには「呼称が変わるだけで、クラス分けは以前と同様に収得賞金を基準として行われます。1着または重賞2着で収得賞金が加算されることも変わりません。」

「したがって、1勝クラスに出走できない1勝馬や、2勝クラスに出走できない2勝馬もいます」と書かれている。

これについては私も前々回の本欄で触れている。つまり何勝クラスというのはわかりやすいようで実は正確ではないということだ。

また5歳以上では過去に降級を経験している馬が多いから、やはり何勝クラスと実際の勝ち数では齟齬が生じる。

従来の収得賞金による条件クラスの方が正確なのである。また重賞やオープン特別には収得賞金により重量が決まるレースもあるから収得賞金の記載は欠かせないことになる。

もともと収得賞金による条件区分はファンにとってわかりにくいものだったのだろうか。

収得賞金の計算はたしかに難しいところもある。しかしファンが各馬について計算するわけではない。新聞その他が計算してくれてファンはそれを見るだけである。

JRAは本当にファンが収得賞金について困っていると考えていたのだろうか。JRAの職員は馬券を買うことができないからファンの気持ちがわからないということかもしれない。



◆沢田準【競馬を楽しく】
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