世界にはまだまだすごい騎手がいるものだと思わされた。いうまでもなくダミアン・レーン騎手である。

レーン騎手は日本ではほとんど知られていなかった。もちろん初来日でまだ25歳と若い。

オーストラリアで騎乗し香港では乗っていなかったことも日本での知名度の低い理由の一つだろう。

しかし4月27日に初騎乗。さっそく重賞の青葉賞に騎乗した。依頼したのは栗東の鮫島厩舎であり、調教師の間では評価されていたことがわかる。

そして翌日の28日には早くも4勝、29日には新潟で騎乗しメールドグラースでG3の新潟大賞典を勝ったのである。

その後の活躍は驚くばかりで5月11日にはG2の京王杯スプリングCをタワーオブロンドンで、12日にはなんとノームコアでG1ヴィクトリアマイルを勝ってしまった。

ダービーでは一本人気となったサートゥルナーリアでは敗れてしまったが、そのかわりというわけではないが目黒記念をルックトゥワイスで勝った。

6月1日には阪神に行って再びメールドグラースで鳴尾記念、6月23日にはリスグラシューで再びG1の宝塚記念まで勝ってしまったのである。

わずか2カ月の騎乗で37勝、G1、G2、G3をそれぞれ2回勝ったのだった。

それだけではない。2カ月のJRAでの短期免許が終わると、今度はNARの短期免許を取得しさっそく帝王賞をオメガパフュームを勝ったのである。

7月はオーストラリアは冬であり実質的にオフシーズンということもあるが、今後はさらにダートグレードに騎乗しこちらでも勝ち抜くのではないだろうか。

レーン騎手のオーストラリアでの実績を調べると日本での活躍が納得できることもある。

15歳で騎手免許を取得とのことだが、初めてオーストラリアのG1を勝ったのは2014年のコーフィールドのサールパートクラークSで20歳の時だ。

その後ランドウイックのATCダービー、フレミントンのエミレーツSなどを勝っており、今年の3月には2歳戦では世界最高の賞金であるローズヒルのゴールデンスリッパーSを勝っている。

オーストラリアでのG1は15勝。まだ若く今後のさらなる活躍は当然期待できる。

昨年までの短期免許で騎乗している外国人騎手ではジョアン・モレイラ騎手の実績が断然だが、レーン騎手が取ってかわるかもしれない。





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