本コラムでたびたび取り上げてきたのがテレビ中継画像についてである。

その理由は今やほとんどのファンはテレビの画像でレースを見ているからだ。自宅や場外では当然だが競馬場でもヴィジョンやテレビでレースを見ているファンがほとんどであり双眼鏡を手にしているファンはほとんどいない。

このためテレビ中継は非常に重要であり問題があればそれを指摘する必要があるからだ。

テレビ中継に求められるものはレースの全貌を余すところなくまた全馬を公平に伝えることだ。また発生したことをできる限り漏らさないことも要求される。

ところが必ずしも中継に対する要求が満足されるとは限らない。そこで本コラムとなるわけだ。

これは専門家も同様のようだ。週刊競馬ブックで丹羽記者がヴィクトリアマイルについて以下のように記されている。

「アーモンドアイは強かった。が、問題はカメラ。直線で約10秒もアップして他の馬が全く映っていなかった。」「全員が全員アーモンドの馬券を買っているわけではないし、記録映像としても適切とは思わない。」

私はフジテレビを見ていたので改めてJRAオフィシャルの映像を見ると、まさに丹羽記者が書かれているとおりの映像だ。アーモンドアイの前にいたサウンドキアラは何とかわかるが追い込んできたノームコアはどこにいたのかゴールインの時に1回だけ呼ばれただけだった。

私がフジテレビを見たのはこれまでの例からJRAオフィシャルよりわかりやすい映像だからである。

それではオークスはどうだっただろうか。やはりJRAオフィシャル映像。2コーナーにかかると先頭馬から順次パーンしていく。

アナウンサーはアップされた馬の馬名を呼ぶ。最後方の馬まで順次呼んでいけばこれはいつものことだ。ところがオークスでは馬名のアナウンスと連動せずに最後方までパーンしてしまった。

映像に写っている馬とアナウンスされる馬がまるでずれてしまったのだ。これは3コーナー手前で外埒に置いたカメラで馬群を斜め前からという映像に切り替えるためである。

これは大レースではよくやる撮り方でありオークスもフジテレビを見たので、あとでJRAオフィシャル見ての評価である。

丹羽記者はダービーについても「今年もダービーでは発馬を下から映す構図なのだろうか。あれも意味不明。」と書かれている。

これは昨年のダービーではスタートの瞬間を地面に置いたカメラの映像で撮ったのである。これは香港方式といえるが、ところがこの映像では出遅れが全く分からないのである。

昨年は本命のサートルナーリアが出遅れてしまったのだがそれが映っていないという大問題だった。アナウンスでは出遅れをフォローしていたがそれでいいわけはない。

スタートでの最大の問題は出遅れだ。それを見ることのできない中継映像は失格である。





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