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2020年5月29日 13時21分新型コロナウイルス




新型コロナウイルス対策を話し合う政府の専門家会議について、菅官房長官は、発言者や発言内容をすべて記録した議事録を作成していないことを明らかにしたうえで、行政文書の管理に関するガイドラインに沿って適切に対応しているという認識を示しました。



新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は、行政文書の管理に関するガイドラインに基づき、国家や社会として記録を共有すべき「歴史的緊急事態」に初めて指定し、政策の決定または了解を行う会議などでは発言者や発言内容を記録し、それ以外は活動の進捗(しんちょく)状況などを記録するとされています。

これに関連して、菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、記者団が「政府の専門家会議で議事録が作成されておらず、こうした消極的な姿勢で後世の検証にたり得るのか」と質問したのに対し、「専門家会議は、ガイドラインの『政策の決定または了解を行わない会議』に該当する」と述べ、議事録を作成していないことを明らかにしました。

そのうえで「専門家に自由かつ率直に議論していただくために、発言者は特定されない形だが、議事概要は作成して公表している」と述べ、ガイドラインに沿って、適切に対応しているという認識を示しました。


西村経済再生相「自由で率直な議論が大事」

西村経済再生担当大臣は、閣議のあとの記者会見で、「専門家の立場で、自由に率直な議論をしてもらうことが大事であり、そうした観点から、1回目の会議で、発言者を特定しない形で議事概要を残すことを説明し、理解をいただいている。歴史的な事態なので、しっかりとガイドラインに従って記録を残し、のちに検証する際の資料として活用されるようにしたい」と述べました。


北村地方創生相「ガイドライン上必要な記録を適切に作成を」

公文書管理を担当する北村地方創生担当大臣は、閣議のあとの記者会見で、「専門家会議は、議事録の作成が必要となる会議には該当しないと聞いているが、その活動を含め将来への教訓として極めて重要であり、将来にわたって検証が可能になるよう、内閣官房でガイドライン上、必要となる記録を適切に作成・保存してもらいたい」と述べました。