週刊競馬ブックでは中央平地の各競馬場のレコードタイムの一覧表を時折掲載している。

これを見るといろいろと興味深いことが見つかる。

まず一覧表の外にJRAレコードとして三つのレコードが記載されている。東京芝2300メートル、東京ダート1600メートル、東京ダート2100メートルだ。

これらはそれぞれ一覧表にももちろん掲載されているがJRAレコードとして記載されているタイムより遅い。

これは東京競馬場のトラックの改修のためレコードタイムが更新されたが、この三つのレコードより早いタイムがまだ出ていないということだ。

前回に触れた盛岡の1200ダートのがJRAを上回っての日本レコードであることに似ている。

この表の中には現在はレースが行われていない距離がある。中山の芝1400、芝2600、芝3200、函館と福島の芝1700などだ。

中山の芝1400以外は現在はこの距離のレースは行われていないがコース図にはスタート地点が書かれているから、将来レースを行うことがあるかもしれないということだろう。

中山の芝1400は比較的新しく作られた距離だがスタートしてすぐカーブであり危険ということで使われなくなった。コース図からも消えてしまったからレコード表から消してもいいのではないだろうか。

馬は昔より早くなっているからレコードはどんどん更新される。従ってレコードが生まれた日付は近年のものだ。

しかし中にはかなり古い日付のものがある。その多くはレースが近年には行われていない距離だ。たとえば中山のダート1700は1976年6月だがこの距離のレースは行われていない。

だが中には頻繁に行われる距離でありながら更新されない古いレコードがある。

小倉の芝1200はアグネスワールドが1999年7月に出した1分6秒5だ。まだ北九州記念は1200ではなく北九州短距離ステークスで出したものでこれは日本レコードでもある。

函館の芝2000は1988年8月のサッカーボーイの1分57秒8。はるかに昔のことでありサッカーボーイの偉大さがわかろうというものだ。

なかでも驚きなレコードは中山ダート1800だ。キヨヒダカの1分48秒5。なんと1983年1月、40年近くも前に作られたのである。

中山のダートは1200と1800がほとんどだ。中山ダート1800はJRAではもっとも使われているかもしれないポピュラーの距離で重賞もある。

その距離でレコードが長期にわたって維持されているのは全くの例外的なことである。



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