ディアドラがついに引退した。33戦8勝。3歳時に紫苑Sと秋華賞、4歳時にクイーンSと府中牝馬Sを勝った。

これだけでも名牝と呼べるがもちろんディアドラの価値はそれだけではない。

外国で14戦1勝。4歳時には春にドバイでドバイターフ3着、年末には香港で香港カップ2着。

5歳時には中山記念(6着)のあと再びドバイターフ4着、香港に移ってクイーンエリザベスⅡ世カップを使い、そのままニューマーケットに入厩した。

そしてイギリス、アイルランド、香港でレースに出走、グッドウッドではナッソーステークスG1を勝った。

これは日本産で日本調教馬としては初めてのイギリスのG1勝利である。なお日本調教馬では2000年のアグネスワールドのジュライカップ勝ちがある。

6歳になってもニューマーケットに滞在しサウジアラビアで出走し惜しくも2着と敗れたが、その後もイギリス、フランスで出走し凱旋門賞も走った。

そして11月にバーレーンでも出走、ついに引退となったのである。引退後も日本には戻らずアイルランドで繁殖入りした。

このようなキャリアからはディアドラの場合、他の日本馬の外国遠征とは全く異なることがわかる。

また日本人のスタッフも帯同していたので馬だけを外国の厩舎に預けるのとも異なる。

ディアドラの同期の牝馬にはリスグラシューがいる。宝塚記念や有馬記念を勝ち外国でもコックスプレートを勝つなど好走を続けた。

しかし有馬記念を勝ったのを最後の5歳一杯で引退している。一方ディアドラは6歳まで走った。

なぜディアドラはリスグラシューより1年長く走り、また費用のかかる外国滞在を続けることができたのだろうか。

それはリスグラシューがクラブオーナーであるのに対しディアドラが個人オーナーだからだ。

リスグラシューの馬主であるキャロットファームの場合、牝馬は6歳3月で引退と決められている。アーモンドアイのシルクレーシングも同様だ。

また長期外国滞在のようなコストがかかるようなことはできない。

ディアドラの外国遠征はとてもその費用を回収できないとオーナーが言っていたよだがそれは当然だ。

それにもかかわらず外国遠征を実施した。それは驚くべきことである。JRA賞で特別表彰してもいいのではないかと思うほどだ。




沢田準【競馬を楽しく】
http://bit.ly/1BFqU5c

◇競馬通信社◇
http://ktsn.jp