5月7日にチャーチルダウンズで行われたケンタッキーダービーは驚くべき結果となった。

日本のクラウンプライドがUAEダービーを勝って出走の権利を得て出走したことでJRAで馬券を発売し、テレビでもレースの予想番組を流しそしてレースの生中継したことで日本のファンには親しいレースとなった。

そして補欠馬から出走し20頭立ての最低人気だったリッチストライクが優勝したのだから驚きである。

この馬の出走が決まったのはレースの前日のようで、このため中央競馬の専門紙には金曜発売の新聞にではこの馬は補欠扱いとなっておりようやく土曜発売の新聞で出走が書かれたのである。

当然事前の予想番組などでは全くこの馬には触れられていない。そんな馬が勝ってしまったのだ。当然人気は低くアメリカでの単勝オッズは81.8倍だった。

リッチストライクが勝った要因はハイペースに尽きる。

2ハロンごとのスプリットタイムは21秒78、23秒58、24秒98、26秒62、25秒65。

前半の4ハロンが45秒35に対して後半の4ハロンは52秒27というとんでもないペースだ。

リッチストライクは最外枠からスタートするとすぐに内埒に近いところに馬を寄せほとんど最後方を進んだ。

サマーイズトゥモローが逃げクラウンプライドが2番手、メッシエー、ゾゾスなどが先行したがこれらは最後は一杯となった。

人気のエピセンターは8番手あたりでゼンダンはそのやや後ろ、3コーナーからエピセンターが追い上げゼンダンも追走、直線はこの2頭の争いと見えたが内からリッチストライクが追い込んでしまった。

それにしても実況の小塚アナウンサーはよくリッチストライクの名前を呼べたものだと感心するばかりだ。

しかしレースでは負けてしまったが最も強かったのはエピセンターであることは間違いがなさそうだ。

クラウンプライドはハイペースを先行し一度は先頭にも立った。それでも13着に踏みとどまったのはかなりの力があるところを見せたと思われる。

ところでクラウンプライドは日本の馬券では6,5倍で3番人気だった。一方アメリカの馬券では18.5倍でこれが順当なところだろう。

日本の馬を買うのは効率が悪いという典型的な例といえる。

ところで勝ったS.レオン騎手は全く無名でグレードレースを勝ったのがケンタッキーダービーが初めてのようだ。

通常はグレードレースを行うような主要競馬場ではない中小の競馬場で騎乗している騎手である。

例えばダービーの前日にはベルテラパークという競馬場で騎乗している。

なぜこのような無名な騎手がダービーに乗ることができたのか全く不明だ。



沢田準【競馬を楽しく】
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