カテゴリ: 基本の説明

◆フジキセキ 5代血統表
フジキセキ5


◆フジキセキ 9代クロス解析表
フジキセキ9


【質問1】
◆9代クロス解析表をうまく活用したいのですが、いまいち理解できないです。例えばフジキセキを例に教えて下さい。

・フジキセキの父系に「52Mahmoud 4.69 5*6」は Mahmoud のクロスがフジキセキの父系の5代目と6代目にクロスがあるという意味だと思いますが、次の4.69の意味が分かりません。

【回答】
1.フジキセキの Mahmoud 5*6 は、その認識のとおりで正しいです。
2.次に4.69は血量4.69%を意味します。全体を100%としたときの百分率です。
この計算の仕方は、次のとおりです。

両親を50%ずつの血量に振り分けますと、その祖先は25.0→12.5→6.25→3.125→1.562→0.78%という具合に祖先を遡るにつれ血量が半減していきます。
逆に祖先の数は2→4→8→16→32→64→128→256→512という具合に世代を奥に進むにつれ倍増していきます。この中での「クロス分析」なのです。

よく「3×4」の近親交配を「奇跡の血量18.75%」と呼びますが、これは父系3代目と母系4代目に同じ祖先を持つ近親交配(インブリードまたはクロスと言う)のことで、その血量は「12.5+6.25=18.75%」と計算されます。そのことにより遺伝力を固定化しようと試みるものです。ドリームジャーニーはノーザンテーストの、キャプテントゥーレはロイヤルスキーの、またメイショウサムソンは Northern Dancer の、それぞれ「3×4」のクロス馬です。

そのような計算式から、
フジキセキの「5×6」は「3.125+1.562=4.687%」となります。

確かに、ここまで遠くの祖先に行くとその影響度は低下しますが、5代より7代、7代より9代と祖先を遡り、その量的、質的なクロス内容をながめることで、気性や脚質や能力全般がより正しく判明できる可能性が高まリます。


【質問2】
◆また、同血馬クロスとはなんですか。

【回答】
同血馬=同じ両親を持つ全兄弟・姉妹のことを「同血馬」または「全きょうだい」と呼びます。日本においてはアグネスタキオンとアグネスフライトが同血馬(全兄弟)の一例です。

馬産の歴史上、この同血馬の血脈がクロスすることにある種、特別の価値を見いだそうという考え方(配合論)があります。同じ血脈(祖先)より、同血馬のクロスの方が味がある、という推測と検証がこれまで行われています。小生も、何らかの付加価値を見いだしている立場に立っています。


・ダンスインザダークの同血馬クロス(最下段の7代血統表&9代クロス解析表参照)

例えば、ダンスインザダークの7代血統表&9代クロス解析表をご参照願いますが、父系5代目の Blue Swords と、母系5代目の Bluehaze は共に「Blue Larkspur×Flaming Swords」を両親とする全兄(1940年生まれ)と全妹(1945年生まれ)であることが分かります。

これを、Blue Swords=Bluehaze と便宜的に表記しています。

フジキセキの9代内の同血馬クロスは他に
Sir Gallahad=Bull Dog
Pharos=Fairway
など、合計4種類があることが解析表から理解できます。

この同血馬クロスの派生関係を配合的な優位点と考える見解に供するために、その解析→表示を9代解析ソフトに組み込んであります。



【質問3】
◆次に、集計表にあるK値とT値の意味も教えて下さい。

【回答】
まず、K値とT値も、近親交配の血脈そのものを示すものではありませんが、サラブレッドの能力や特徴を判断する上での「量的」指標の一つです。

・K値は、その世代に関係する「クロス馬」の数を「世代総数」で除したものです。
フジキセキの場合、
5代に2個のクロスがありますから、その世代数の総和124で除しますと「0.031×2個=0.063」となります。
ただ、この数値にはさほど重みを与えなくても結構です。

むしろ、
5代  2
6代  9
7代  39
8代  83
9代  148

この各世代ごとのクロス集計数の「出現パターン」で、決め手、気性、脚質、総合能力などを判別した方がベターです。祖先の数は2倍ずつ増えていきますから、クロス血脈数もそれに伴い比例して増えることが「正常」と見てよく、そのピラミッド型がどんな現れ方をするかがクロスの量的な判断材料になります。



・次に、T値です。
これは瞬発力、気性、脚質などを含めた総合能力の推測に役立ちます。小生はこれをかなり重視して「特質」を掌握しています。普通に言えばT値→「平均継続クロス度数」と呼ぶことができます。

フジキセキの例で言えば、
336-55=281(純粋クロス馬総数)→(分子)
82-20=60(純粋クロス血脈数)→(分母)

この割り算で、4.53という答(商)が計算されますが、
このとき、「T値=1血脈当たりの平均継続クロス度数が4.53回」と読み取ります。


・継続クロスは配合論の大きな要素といえます。
例えば、Northern Dancer のクロス馬には前述、メイショウサムソンなど多数がおり、また、3本クロス馬にはキングカメハメハなどがいます。

ある血脈を「継続クロス」するということは、それだけその影響力を遺伝的に「固定化」または「増幅」させることです。求める方向性としては正しいといえます。

ただし、同じ血脈だけをずっと追い求めると「血量の過剰現象」が生じますから、強い体質を保つためには別な種類の血脈、すなわち「異系血脈」を注入しなければなりません。そのことで「血統の質的バランス」を保つ必要があります。アメリカ血脈だけとか、ヨーロッパ血脈だけなど、同じ祖先を色濃く内包する血脈だけが集まると「虚弱体質」や「知的障害」などの危険性を伴います。



・以上、随分とおおまかですが、ご質問にお答えをいたしました。配合はまさに「配合」です。クロスの度合いを強めたり、弱めたり、互いに異系となる血脈の混淆=バランスをほどよく取ることなどの質的側面、あるいは「クロス分布図」や「T値」など量的な側面も解析する視点が大切です。このように質量両面が一瞥できる「9代クロス解析表」はパソコン時代の今日、非常に有効性の高いデータとなります。


参考までに、9代クロス解析の効用として下記を列記しておきます。

◆ 9代クロス解析の効用により次の諸点を理解することができる

・能力はクロス血脈の質と量により変化すること
・欧米血脈の混淆により体質の強化が図れること
・名血の牡馬、牝馬のクロスあるいは継続クロスが識別できること
・クロスの量的出現パターンで距離適性、気性、脚質が分かること
・「緻密クロス型」は決め手は鋭いが、気性難を伴い、踏ん張りと底力を欠くこと
・異系血脈の強いクロスのプール、または新規取り込みが能力の向上に有効なこと

(2017年、青木義明)

◆青木義明【競馬一直線】
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◆ダンスインザダーク7代血統表
ダンスインザダーク7代血統表

◆ダンスインザダーク9代クロス解析表
ダンスインザダーク9代クロス解析表

◆Danzig 6代血統表
Danzig 6代血統表

◆Danzig 9代クロス解析表
Danzig 9代クロス解析表


・自身は5代アウトクロス
・母も5代アウトクロス
・それでも活力十分なマイラー配合で競走馬よりも種牡馬として大成功した
・最大の要因は9代クロスの「量的な活力」に求められる
・クロス集計表を見れば分かるように活躍馬に多く見られる標準形だ
・だから、配合分析において「9代クロス解析」は必要条件となる
・その上で、十分条件とするには「質的」な側面も重視しなければならない
・しかし、100年前も、あるいは50年後も「3×4(血量18.75%)」は成功例の多い「量的」側面だが、他方でクロスの「質的」(血脈的)側面は時代と共に変化する。
・現代配合論はクロスの質と量の両側面を勘案しなければならない

(1018.01.10.青木義明)

◆古典的な名配合 Monarque 5代血統表
Monarque5代血統表


・父は Defiance 2×3の異系クロスを内包
・自身は Whalebone=Whisker 3×3の同血馬クロス
・さらに Reveller≒Smolensko Mare の疑似クロス3×3

・現代のサラブレッド配合にとってもよき指針となる

(2017.12.30.青木義明)


◆ついでに Monarque 6代血統表も掲載
Monarque 6代血統表


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◆Monarque のサイアーラインの末裔を探すと…

◆Roberto 5代血統表
Roberto 5代血統表


◆ロベルトの母系に4×4でクロスされている Sardanapale 6代血統表
Sardanapale 6代血統表


・Sardanapale(1911) の5代父がMonarque というわけです。米血中心のロベルトにおいては「異系クロス」の効果を与えています。そして下記のようにリボーにも、それは内包されており、ロベルト系とリボー系のニックスを裏打ちします。ブライアンズタイムもその一例です。イタリアの名馬産家テシオの作った名馬リボーが米国にわたり、世界的にもより大きな生産的発展を促しました。

◆Ribot にも Sardanapale は内包されている(父の母系に内包)
Ribot 5代血統表


◆ブライアンズタイム6代血統表
ブライアンズタイム6代血統表

・米国血脈の濃いブライアンズタイムにおいて、母の父 Graustark は欧州血脈で、ここに欧米血脈の混淆という配合のアクセントがあります。母の父が仮に米国血脈なら、ただのダート馬です。

◆そしてブライアンズタイムの代表産駒タニノギムレットは Graustark 3×4のクロス馬でした。
タニノギムレット6代血統表



---------- 関連記事 ----------

【出展元/レーシングスルー 2010.08.10】

 米国のサラブレッド生産が国際的に高い評価を得るようになったのは、1950年代である。当時、アーサー・“ブル”・ハンコック(Arthur “Bull”Hancock Jr.)氏は、欧州から一流の種牡馬を獲得する活動を開始した。ハンコック氏は、イギリスの第一級の種牡馬であるナスルーラ(Nasrullah)や、フ ランスのチャンピオン馬でありトップサイヤーであるルファビュルー(Le Fabuleux)を輸入し、クレイボーン牧場(Claiborne Farm)で繋養した。それは、世界各国の種牡馬が米国の馬の血統に活力を与える、と考えたからであった。

ハンコック氏の息子のセス(Seth)氏も父親 の活動を引き継ぎ、1970年の欧州の年度代表馬に輝き、その後にトップサイヤーになったニジンスキー(Nijinsky II)を輸入した。

1970年代のジョン・ゲインズ(John Gaines)氏は、その後国際的に有名になる独自の生産牧場ゲインズウェイ牧場(Gainesway)の建設を開始した。彼は、欧州の優れた種牡馬を他 のどの生産者より多く北米の市場に導入した。そして、ゲインズ氏はリファール(Lyphard)、リヴァーマン(Riverman)、ブラッシンググルー ム(Blushing Groom)、グリーンダンサー(Green Dancer)、アイリッシュリヴァー(Irish River)、シャープンアップ(Sharpen Up)、ヴェイグリーノーブル(Vaguely Noble)などの主要な種牡馬を獲得し、シンジゲートを組み、そして管理したのである。

それらの種牡馬はすべて、欧州のチャンピオン馬、あるいは主要な ステークス競走の勝馬であった。ジョン・T.L.・ジョーンズ(John T.L. Jones Jr.)氏も自らの役割を果たし、欧州のチャンピオン馬であるアレッジド(Alleged)とヌレイエフ(Nureyev)をワルマック・インターナショ ナル牧場(Walmac International)で繋養した。

一方、ジョン・ガルブレス(John Galbreath)氏は、無敗のチャンピオン馬であったリボー(Ribot)を輸入し、ダービーダン牧場(Darby Dan Farm)で繋養した。

(2018.01.04.補足 青木義明)

◆タニノギムレット9代クロス解析表
タニノギムレット 9代クロス解析表


・9代クロスの量的側面は申し分ない
・そして、Sardanapale も4本継続クロスしているのが確認できる(13行目)
・母に内包される Sicambre 3×4の欧州血脈が異系クロスとしての役割を果たす

◆キングヘイロー 6代血統表
キングヘイロー6


◆キングヘイロー 9代クロス解析表
キングヘイロー9


☆☆

◎サラブレッドの配合とは

サラブレッドが競馬場で優劣を競う「競馬」は立派なスポーツですが「馬産」も生死を賭けた戦いと言えます。その生産者を巡る戦いを展開するのに「無防備」「無定見」では勝ち切れません。

多くの生産者は種牡馬を持たず、規模に応じた繁殖牝馬を擁しています。その繁殖牝馬にどんな種牡馬を交配するか、ここが大切なのは言うまでもありません。自身が所有する繁殖牝馬に、どの種牡馬を配合するかで距離適性や気性や体型「競走能力」まで決まってしまうというのが筆者の考え方です。

もちろん、牧場を維持するうえで高く売れるに越したことはありません。高額の種牡馬を配合するというのもひとつの方法でしょう。しかし、コストパフォーマンスを考える購買者も出てきます。ですから単純に高額種牡馬を配合すれば良い、という戦略では長期戦には勝てません

大切なのは、配合だと思っています。ただ、良い配合というのが分かれば苦労はないよ、とも言われるでしょう。配合は大切だけれど、どれが正しいかがわからないのが悩みの種だとも。

だからと言って立ち止まったままでは進歩がありません。ひとつの解決策をご提示します。

まずは配合図=血統表を作ることです。父と母の名前から能力を推し量ることもできますが、最低でも「5代血統表」を作ることで、近親交配の有無、その血脈やクロス数の多さなどが判明します。5代アウトクロス、5代多重クロスといった配合パターンを学ぶことができるのです。


◎5代多重クロスをキングヘイローの配合パターンから学ぶ

「5代多重クロス」とは「5世代以内に3種類以上のクロス」を内包する配合馬のことで、基本的にスピード馬が多い印象です。ときには気性も激しくなりやすいのですが、これは複数のクロスが生じることで精神的活力が高まるからだと思われます。

古くはマルゼンスキーやブロケ―ドが有名ですが、今回は高松宮記念を優勝したキングヘイローを取り上げます。


1.キングヘイロー自身の5代血統表をながめると次のことがわかります。
・サーゲイロード Sir Gaylord 4×4
・アルマームード Almahmoud 5×4
・トムフール Tom Fool 5×5


2.その父ダンシングプレーヴの5代血統表からは次のことがわかります。
・マームード Mahmoud 5×5


3.その母グッバイヘイローの5代血統表では次のことがわかります
・ターントゥ― Turn-to 3×4
・ファラモンド Pharamond 4×5
・マームード Mahmoud 4×5


凱旋門賞をレコード勝ちしたダンシングブレーヴは、クロスの薄い馬。GⅠ競走7勝の母グッバイヘイローはクロスの多い馬で、いわゆる「多重クロス馬」です。12ハロンのCCAオークスを勝っていますが、爆発的なスピードを持った馬でした。

キングヘイローが短い距離を得意としたのは「多重クロスの母」から生まれた「多重クロス馬」なので、スピード能力に長けた競走馬になったという認識です。ブロケードは母が多重クロス馬でした。マルゼンスキーは、両親ともに薄いクロスの馬ですが、自身は多重クロス馬です。このようなことは、配合表を作らなければわからなかったかもしれません。

(青木義明)


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◆マルゼンスキー 6代血統表
マルゼンスキー6



◆マルゼンスキー 9代クロス解析表
マルゼンスキー9


[6代血統表とその活用方法]

朝日杯3歳Sなど8戦8勝の快速馬マルゼンスキーは「5代多重クロス」馬である。すなわち、

Menow 4×4
Bull Dog 5×5
Blue Larkspur 5×5

このように「5世代以内に3種類以上のクロス」を内包する「多重クロス馬」は基本的にスピード馬が多い。また、場合によると気性も激しくなりやすいが、クロスにより精神的活力が高まるからだと思われる。

この場合、大切なことは、その両親が5代内にとの程度のクロスを持っているかだが、マルゼンスキーの父 Nijinsky も、母シルも5代目に薄目のクロスを持つだけの、あまりアクの強くない配合馬であり、そういう両親から強いクロスを生み出す方向性は配合のセオリーの一つと言える。逆に、強いクロスを内包する両親からの、さらに強いクロス派生は避けたいところだ。

それを一目で判断できるようにしたのが「自身」「父」「母」の5代血統表を3枚並べた「6代血統表」である。例えば、強いクロスを持った両親からは「アウトクロス」を志向したい、という即時的な判断が可能だ。

なお、参考までにマルゼンスキーの9代クロス解析においては、以下のことがポイントとなるだろう。

1.Bull Dog=Sir Gallahad 5・7×5など8種類の「同血馬」クロスを内包すること
2.クロス集計表の6世代目に17個の、やや多めのクロスが派生していること
3.父系または母系に、特に「異系」のクロスのプールを持たない「緻密型」であること
4.つまり、スピードが豊富だが、距離延びての踏ん張りには懸念が残る。(マルゼンスキーは長距離未経験)


◆マルゼンスキーは、どんな馬なのか◆

[Wikipedia より抜粋]

マルゼンスキー(1974年5月19日 - 1997年8月21日)は日本の競走馬、種牡馬。

イギリスの三冠馬・ニジンスキーを父にもち、1976年に中央競馬でデビュー。3歳王者戦・朝日杯3歳ステークスを大差でレコード勝ちするなど連戦連勝を続けたが、当時多くの競走で出走制限が課された外国からの持込馬だったことから、クラシック三冠競走には出走できなかった。無敗のまま1977年末に故障で引退。通算成績は8戦8勝。1970年代に起きた外国車ブームの中で「スーパーカー」の異名を冠された[1]。種牡馬となってからは1988年の東京優駿(日本ダービー)優勝馬サクラチヨノオーなど中央競馬で4頭のGI優勝馬を輩出。1990年にJRA顕彰馬に選出された。


出生までの経緯[編集]

1973年秋、北海道胆振支庁の軽種馬農協青年部がアメリカへの研修旅行を計画したが、直前になってひとり欠員が出て予算に狂いが生じるおそれが出たことから、青年部は牛の仲買人でありパスポートを保持していてすぐに参加が可能であった橋本善吉[注 1]に同行を依頼した。橋本は少年時代に馬の牧場で10年働いた経験をもち[2]、馬主としてばんえい競馬の名馬・マルゼンストロングホースを購買し競馬の世界に進出したばかりだった[3]。かねて競走馬生産にも着手したいと考えていたことから、橋本はこれを好機と捉えて参加を決定。日程の中に希望者のみのオプションとして組まれていたキーンランドセールに参加した際、調教師の本郷重彦とも知り合った[2]。

橋本と本郷はセール会場において、アメリカの殿堂馬・バックパサーを父に、14勝を挙げたクィルを母にもつ繁殖牝馬シルに目をつける。両者ともその馬体の良さを高く評価し、本郷は「こんなに皮膚のいい馬には生まれてはじめてお目にかかった。小柄だけどバランスがいいし、これは良い馬だ」と感嘆していた[2]。シルはイギリスの三冠馬・ニジンスキーの子を受胎しており高額が予想されたが、本郷の強い勧めもあり橋本は競りに参加[2]。フランスの調教師と競り合った末、このセールで3番目の高額であった30万ドル(約9000万円。当時)という価格で落札に成功した[2]。現地の酪農業界誌には「有名な日本のウシ屋の橋本氏が、とてつもなく高額なウマを買った。どうやら気が違ったようだ」と紹介されていたという[2]。

生い立ち[編集]

のち日本へ輸送されたシルは、1974年5月19日、牡馬を出産。橋本は自身の屋号「丸善」からとって牡馬ならば「マルゼンスキー」、牝馬ならば「ミスマルゼン」と名前を考えており、前者に決まった[2]。報せを受けて東京から馬の検分にきた本郷は、第一声で「外向だなあ」と口にした[4]。前脚が膝下から外に曲がっており、正面からみるとV字になるような形を「外向肢勢」といい、マルゼンスキーはそれに該当したのである[5]。しかし全体としては好馬体をもっており、橋本も本郷もその点では高評価を下した[4]。往年の名騎手であった田中康三も本郷の息子・一彦に「あれは走る」と話していたという[6]。また、橋本と同じ競りに参加し、25万ドルの手前で降りていた社台ファーム代表・吉田善哉が、息子の勝己(後のノーザンファーム代表)を伴い「庭を見せてもらいにきた」と口実をつけて、マルゼンスキーを見に来ていたという[2]。

産後10日目から橋本は新聞と雑誌に広告を出して一株300万円を40口・総額1億2000万円のシンジケート会員を募集し、1カ月で満口となった[2]。しかしそれからおよそ2カ月後、ニジンスキーの初年度産駒として評判が高かったニジンスキースターがデビュー戦で12着と敗れたことで会員の離脱が相次ぎ、最終的にシンジケートには8人しか残らなかった[2]。また、「外向」は成長につれて度を増していき、やがて「脚曲がり」と陰口を叩く者が出るほどひどいものとなった[4]。変形の脚部は強い調教に耐えられない可能性が高く、これを見た少なくない者が「良い馬だが、競走馬には仕上がらないだろう」という見解を述べた[5]。そうした一方で、馬術部出身で育成調教を担当していた橋本の息子は、「この馬は跳びも大きいけど、伸びた後脚を戻すのがものすごく速い」と感嘆していたという[3]。

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【主な機能】
・5代血統表の作成、出力
・5代血統表の配合シミュレーション
・6代血統表の画面表示、出力
・8代血統表の画面表示、出力
・9代クロス解析表の画面表示、出力
・蓄積データ21万頭
・JRA-VAN Data Lab. 対応

・販売価格 30万円


◆青木義明の競馬一直線
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